ずっとアウトローな生き方をしてきたルトだけど私との出会いが彼の人生を変えるきっかけとなった。突然子持ちになったんですもの責任重大だって思ったみたい。
彼だって本当はしたいことがあったでしょうに。危なっかしいから放って置けないって、自分によりも私に注がれる視線に敏感だった。下卑た大人達の邪な目や暗殺者に怯えずに私が健やかに成長できることを願い常に真剣に私のことを考えてくれていた。
そんな彼だからこそルトにとって私が「特別」なんだっていつだって信じることができたし、私にとってもルトは特別な人だった。
でもだからこそ・・まさかあんなことになるなんて
・・あれは私達の絆を試す試練だったのかもしれない。
ルトは私にとって憧れの人で全てだった・・
ずっと一緒にいられるって思ったのに・・
ある日突然その幸せは終わってしまった。
だけどあの別れは必要だったのかもしれない。お互いに成熟するために・・
私は少女から大人の女へ、彼は責任ある大人の男へ
お互いに魅力ある異性だと想えて、また恋に落ちるくらいに
・・大切な距離感だった。
父はあの悲劇さえなければ私達母娘を王宮に引き取るつもりだったようだ。
もし王宮で王女として何不自由なく暮らしていたらルトはそんな私に見向きもしなかっただろう。私も退屈を持て余すだけでルトと痛みを分かち合うこともなく無知なまま大人になっていたはずだ。
そして王女として愛を知らぬまま有力者の伴侶を得て、魔法のランプを継承してなんの躊躇もなく魔神を使役していただろう。
魔神の孤独や苦悩なんてきっと考えもしなかった。
男女の格差や法の不平等に疑問も持たなかったはず・・