――運命の選択ですって!?

 

突然父親と名乗る人物が現れただけでも驚きだったけど、さらに私とライザール様に影響を及ぼすだなんて・・どういうこと?

 

真意はわからないけど、とりあえず頷くと「父」は続けた。

 

「父王が身罷った9年前あの者は王宮に忍び込み、魔法のランプを手にした。ちょうど私もその場に居合わせたのだ。実のところ宝物庫まで手引きしたのは私だ。ランプ継承者として受け継ぐのを迷っていた時、あの者は億すことなくランプが欲しいと私に訴えた。

 

確かにきっかけはそなたを救うためだっただろうがあの男には野心も意欲もあった。そなたのような幼き者を死なせずに済む国を作りたいとあの者は言った。世相に疎い私にとってそれはとても得難い出会いだったのだ。

 

私にとっても賭けであったが、さる方の賛同もあり彼を友として信頼することにした。だから魔神となった後もただ使役するのではなく、あの者に理想の国づくりを託そうと思った。

 

そしてもしもう一度そなたを取り戻すことができたなら・・私は全てを公にしてあの者にそなたを娶らせようと・・それが本当の私の願いだ。

 

だからこそランプを継承できる私の正統な血を引くそなたに選んで欲しいのだ。そなたが女王となり、あの者を魔神としてこれからも使役するのか、それともあの者を解放して夫婦になり共に歩むのか・・全てはそなた次第だ」

 

それはまさに究極の二択だった。

 

過去の継承者たちは全員男だったため、女王という発想がなかったのだろう。

 

私がライザール様以外の男性を想うことはないからこそ、どのような関係を築きたいのか父は問うたのだ。

 

「ああ・・そうだった。これはそなたを大切に想うさる方から提案があったのだが・・この国の民として終えたくないと望むならば元の世界に戻しても良い・・と」

 

 

よほど拒めない相手からなのだろうか・・?それとも愛娘へのせめてもの罪滅ぼしのつもり?私に王位を継がなくていいなんて思ってるはずないのに・・

 

わざわざ伝えずとも良いメッセージを最後に付け加えた「父」の気持ちを想うと複雑だった。

 

魔神の補佐があったとしても一国を治めるのは至難の業だろう。

そう思えばやはり躊躇は感じてしまう。

 

女性への理解の少ない世界、現代なら直せる病でも命を落す可能性もある・・

 

ライザール様の愛を失うことだってないとは言い切れない・・・

 

だけど・・・