※ライザール視点です

 

私の寝台で穏やかに眠るシリーンを今一度見つめる。

 

ああ・・やっと彼女を取り戻せたのだと実感する。

 

愛しいシリーンとは一時たりとも離れ難く感じる。

 

だがそれでもまた私は行かねばならない・・

だからどうか傍を離れることを許して欲しい・・

 

私は必ずお前の元に戻るから・・

 

カルウーにライザと彼女を守るように命じると、ライザが察したように声をかけた。

 

「・・行くのかい?君はいつもそうだ・・「全部一人で背負いこんでしまう」・・自分がふがいないよ。だが友よどうか気を付けて」

 

私の理解者、唯一の友はそう言った。言葉ににじみ出る温もりに気づきながら私は目を背ける。

 

私は魔神だから・・

 

「・・・無論。すぐに戻る・・主、シリーンを頼む」

 

主が呼べばどこであろうと私は駆けつけることができるだろう・・

 

私とシリーンとの間との絆とはまた違う絶対的な主従関係があった。