夢の中のはずなのに私は夢を見ていた。
そこは一面の砂漠で照り付ける太陽が肌を焼く・・
日焼けしても赤くなるだけだからできたら遠慮したい・・
そんなことを思いながら振り返った先に「彼」はいた。
逞しい褐色の素肌、完璧な歯列がのぞく笑顔、そして私を見つめる優しい琥珀色の瞳
・・・・ルト・・大好きよ・・
砂漠の中の洞窟で一緒に暮らしていた頃の甘酸っぱい思い出だった。
夜になったら冷え込む砂漠だけど満天の星空を眺めたこともあった。
私達は確かに年の差があったけど、彼は大きくなったら私をお嫁さんにしてくれるって約束をかわしてくれた。
だけど・・・幸せはいつまでも続かなかったの・・・
それは私が病気になってしまったからだ・・
ルトは私を助けるために方々手を尽くしてくれたけどその間も私の病状は悪化していった。
「待ってろ!シリーン!お前のことは俺が命にかけても助けてやる!!だから諦めるな」
だけどルトは私の死を受け入れることはできずにヒラール宮の宝物庫にあるというなんでも願い叶えてくれる魔法のランプを手に入れるために行ってしまった。
もう助からないならせめてルトに看取ってほしかったのに・・
ああ・・神様・・ルトをどうかお守りください・・・
高熱にうなされながらそう祈った矢先の出来事だった。