「ではこうしましょう。私が貴方を愛し貴方が私を愛したら私の全てを貴方にささげますわ。その代わり浮気はしないでくださいね」

 

私にだって大切な方がいるしライザール様にだって誰か大切な方がいるのなら私達は対等な取引ができるはずだ。

 

すると途端にライザール様が気難しげな顔をなさったけどダメよ。

浮ついた方と恋愛ごっこを楽しむ気はないもの。

 

やがて観念したかのようにライザール様は言われた。

 

「まさかこの私の愛を要求するとはな・・だがそんなことを望んだのはお前だけだ。だが・・・いいだろう。これまで幾人ものシリーンに出会ったが全て私の探す者ではなかったが・・・お前と出会ったのもなにかの縁なのであれば・・このライザールお前に誓おう。契約は成立だ・・・シリーン」

 

契約だなんて本当にランプの精みたいだわ・・

 

情報不足で疑問は保留せざるをえなかったけど

一方のライザール様は王族の鷹揚さで続けた。

 

「ではとりあえず手は出さぬから今宵はここで添い寝してもらおうか。それくらい良いだろう?」

 

本来はきっとダメでしょうね。我が家はアッパークラスだからかスキャンダルもゴシップもどちらかというと無縁ではいられなかったけれど、私は喧噪と無縁でいたかったから注意深く生きてきたつもりだった。