私の剣幕がよほど意外だったのかライザール王は今度こそ絶句してしまったようだった。それにやっぱり前に会ったような気がする・・
「そもそも私は「シリーン」の名を持つ女とも偽物とも寝たことはない誤解だ。・・なるほど・・率直な意見だ。だがますます私はお前が気に入ったぞ・・どうだ?最高の快楽を与えてやるから私に身を任せてみないか?」
?なにかしら・・なにかさっきから釈然としないわ。
ここにきてやっと違和感の正体がわかった気がした。
・・・!そうだわ、絶対的な権力を持つはずの王だけど先ほどから言葉巧みに私に「はい」と言わせようとはしても強硬な手段にはでようとはしない。
それがそもそもおかしいのだ。彼ほどの立場なら私一人どうすることもきっと思いのままなのに、なぜかわからないが私の許可を得ようとしている節がある。
ハロウィンが近かったせいかレイラ姉さんから誘われて新作のホラー鑑賞をした時聞いた話をふと思い出した。
「シリーン知ってた?ヴァンパイアは「どうぞ」って許可を得ないと相手の縄張りに侵入できないってお約束があるのよ。彼らはなんとか住人の了解を得るためにあの手この手の手段で訴えるけど毅然と拒めば何もできないの。ルールで縛られた怪物の話は他にもあるわ・・例えば・・・」
レイラ姉さんの話ではかの有名なランプの精も自由を得るために呼び出したものと契約を交わし代わりに三つの願いを叶えるのだという・・
もちろん必ずしも3つというわけではないのかもしれないけれど・・
解釈は様々だろう。もちろんあくまでもそう感じただけでライザール王がランプの精であるはずがないんだけど・・・
でもランプの精が宿っているかのようなランプのレプリカが展示されていたのは確かだったし、そうそうラウルさんもそんなことを言っていたはず。
あの時は冗談だと思ってたけど・・今はどうかしら?