来るものは拒まず去る者は追わず・・
悪びれずにあっけらかんとした様子だったラウルさんを思い出したら自信が喪失してしまう。あれが男性の本性なのかしら?
交際経験がないからわからない。
使用人の話は続く。
「だから髪を脱色してシリーンと偽りの名を名乗り出て玉の輿を狙った娘達もいたようですが、王の逆鱗に触れて手厳しいお咎めがあったそうですよ。おお怖い」
富めるシャナーサの王として君臨するライザール様には二面性があるようだった。
名君と誉れの高い一方で少女達を次々と慰みものにしているというのだ。
まるでシェラザードを困らせた王みたいね。密通した妻の裏切りが許せずにことごとく処刑して暴君になった孤独な王様・・
一夜過ごした娘達がどうなったかは誰も知らないが誰も気にかける者はない。
それくらい身分の差で明暗が分かれる世界なのだろう。
ああ・・私はどうしたらこの難関を切り抜けられるのかしら?
店主のアドバイスに従うべき?それとも・・・
試すように問うライザール王はどちらの答えを望むのか?
でも・・ここは本名を名乗ってみましょう
嘘をつくのはどうも性分ではなかった。