ええ!!

 

初対面の男相手にあまりにも無防備すぎたかもしれない。

 

「な、なに?」

 

身の危険を今更ながら感じても遅かった。

 

「誘ったのはお前だろう?据え膳をいただこうと思っただけだが?」

 

誘惑なんかしてないってば!!それって男性の願望でしょう?

 

「してません!誤解です!やめて・・お願い」

 

強張る私の身体を組み敷く肉食獣のような男の双眸に魅入られてしまう。

 

炎を受け揺らめく琥珀色の瞳・・・ああ・・胸がざわざわしてしまう

 

「なんだ・・そうなのか。まあいい。無理強いするのは性分ではないからな。戯れだ・・・許せ」

 

高圧的ながらもやはりどこか高貴な雰囲気を漂わせながら男は

あっさりと身を引いた。

 

解放されてあらためてホッと胸をなでおろす。あやうく貞操の危機だったなんて・・

 

「もの慣れた女だと思ったが存外初心らしい・・・「生娘」か?」

 

よくそんなこと堂々と聞けるわね!だけど誤解されたままなのも嫌だったから小さく頷くと男は納得したのかふっとまた一つ笑った。

 

もう!なんなのよ!そりゃあ・・命の恩人だし謝礼代わりに要求される可能性もあるかなって思ったけど・・だからといって無理なものは無理だった。