あの高さから落下したとは思えないほど衝撃はなかったけど、
落ちた拍子に砂を食んでしまったようだった。頬にも焼けつくような砂の感触があった。慌てて吐き出して衣服についた砂を払いのけるようとしたらは熱砂に足を取られて滑りそうになる。
まさに踏んだり蹴ったりな有様だった。
ともかく応急処置として腰に巻いていたベールを取り顔を覆った。
顔だけは日焼けしたくないもの・・・
それにしても・・・
ここ・・どこよ!?
せめてハロウィンを満喫したくてまだベリーダンスの衣装姿だったが、幸い衣装に目立った汚れはなかったけど露出度の高い服で砂漠を彷徨うのは得策ではないのは明らかだった。
日焼けだってできれば遠慮したい。
ロサンヨークは日差しが強いから季節問わずに紫外線対策はしててよかった。
ここがどこだろうと砂漠なのは間違いない。
スマホは圏外だし水もない。
最低限の準備もない以上、急がなくては遭難してしまう。
いえ、認める。・・私遭難中なんだわ・・
こんなことならサバイバル番組をもっときちんと見ておくべきだったかしら・・
ペアさま!助けてお願い!!
いえ、冷静になるのよ、シリーン・・いつか誰かが教えてくれたじゃない。
砂漠で遭難しかけた時の対処法・・
なんだったかしら・・早くも脱水になりそうな予感に慄きながらとりあえず太陽の位置を確認しながらオアシスを目指すことにした。