熱い砂が口に入って息ができないイメージが沸き起こり一瞬だけ胸が苦しかったのだ。
不思議だわ・・私前世で砂漠で遭難でもしたことがあるのかしら?
ふとそんなことを考える自分に苦笑してしまう。
それにしてもこのランプ・・どこかで見た覚えがある・・
そうだわ!同じアパートに住む隣人の家で見たかもしれない。
その方は初老の男性だったけど考古学者として名をはせた方でいくつもの著書も出版された知る人ぞ知る方だった。
今はロサンヨークの大学で名誉教授をされているらしい・・
現在独身なこともあり黒猫と暮らしているおじいちゃんだったけど私を実の孫みたいに可愛がってくださっていた。
私も考古学に興味があるせいか子供の頃から時間があれば彼の家に入り浸っていたのだけど、彼の部屋には所狭しとばかりに様々な遺物が並んでおりその中の一つに魔法のランプがあった。
くもったガラスケースに収められていて触れることはできなかったけど、子供心に空想に浸ったものだった。
もちろんレプリカでしょうけどロマンはあったわね。