博物館の中に入ると様々な催しが開催されていたがなかでも特に目を引いたのがお目当ての「砂に消失したシャナーサ王国」展だった。
興味を惹かれるままパンフレットを手に取ると、ラウルさんが覗き込んできた。
「あ、君はそういうのが好きなの?シャナーサ王国はすでに滅んでしまったから謎めいた部分が多いんだよね。いいよ、じゃあそれを見に行こう」
即決したラウルさんに手をひかれるまま私はシャナーサ王国展を見ることになったんだけど・・・
なんだか一歩進むごとに懐かしさがこみあげてきてしまう・・
シャナーサはまさに千夜一夜物語にも描かれたようなアラビアンな世界だった。
出土品は贅を極めており、青く輝く宝石や黄金でできたアクセサリーが展示されていた。
中でも目を引いたのが黄金の金環を繋げた王の首飾りの一部だった。
王国が消失した当時王だったライザール王のものらしい。
どれだけ時が経とうと黄金は色あせない・・
けれど長い時を経て盗掘にでもあったのか大部分は失われていた。
それでも度々砂嵐が起きる地だからこうして後世にわずかでも残ったのだろう。
展示品は宝飾品が主だったものだった。宝物は発見されたもののいまだにライザール王が眠る王墓は発見されずじまいだった。
見るもの見るものすべてが懐かしい心地がしてしまい、いつの間にかラウルさんの存在も忘れてすっかり心を奪われてしまった。
ハッと我に返るとラウルさんに呼ばれていたようだ。
「シリーン・・!ああ、やっと気づいたね。随分熱心に見ていたけど・・なになに・・なんだか魔法のランプみたいだけど・・でも残念レプリカだってさ・・本物は今頃砂に埋もれているんだろうなあ」
その言葉になんだか気分が悪くなる。