そうして私の気持ちを他所にスケジュールは決まってしまい
後日私はラウルさんと待ち合わせて博物館でデートをすることを余儀なくされたのだった。
あれから改めて彼の出演作を見てみたけど・・ラウルさんはもちろん話の内容より舞台となったシャナーサの方が私の興味をそそったなんて言えないわね。
もっともシャナーサはすでに滅び去った国だから大掛かりな舞台セットでしかないけど辛口の時代考証をしながらそこそこ楽しめた。
だからか、リネットさんが提案したデートの場所は博物館だった。
現在「砂に埋もれた古の都シャナーサ展」が開催されているらしい。
ラウルさんはともかくシャナーサ展にはぜひ一度足を運びたいと思っていた矢先だった。どちらかというとワーカーホリック気味だったけど今回はデートとして休みを取らされたこともあり、ゆっくりと見学できるわね。
姉の話は続いておりラウルさんが共演した女優と火遊びした話で盛り上がっていたけど、シャナーサに想いを馳せていた私は全然聞いていなかった。
そして現在に至る。
私はもう大人だしお酒だって飲める年だからさすがにリネットさんはもちろんだけど姉も同伴することはなかった。
「別にラウルと寝ろとは言わないわ。でも少しくらいデートを楽しんできなさい。せっかく美人でもてるのに・・もったいないわ」
それが姉の口癖だった。
興味のない相手にモテたってしかたないのに・・
それは贅沢な悩みなのかもしれないけどいっそう憂鬱な気分だった。