店主様と入れ替わりにライザール様が入って来られた。
さすがにお忍びだったからいつもの姿ではなくて軽装だったけど威厳は十分だった。
「突然すまない、シリーン。招かれたわけでもないのに来た無礼を許して欲しい。急にお前の顔を見たくなってしまってな・・これはささやかだが贈り物だ」
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ライザール様はそう言って豪華な花束をくださった。
バザールで仕入れたばかりの新鮮な生花があるだけで部屋に彩をそえてくれる。
「まあ綺麗・・ありがとうございます。ふふ・・いい香り」
いつも突然お邪魔しているのは私の方だったからむしろこんなサプライズなら大歓迎だった。
「私も会いたかったから嬉しいわ、いらっしゃいませライザール様」
休日だったけどとりあえず身だしなみはきちんとしていて正解だったわね。
下着も買ったばかりの新作のTバックだった。
内心ホッとしながら彼をソファへ案内すると、ライザール様はお気に入りの猫足のカウチソファに腰掛けられた。
それを確認しながら花を活け、酒の支度にとりかかる。
私は滅多に飲まないけど一応一通りの酒は取り揃えてあった。
すぐ背後で手持無沙汰だったのかライザール様が雑誌を手に取るのを気にかけながら酒の支度をした。