部屋に戻るとライザール様は軽く服を羽織った姿でリーシャを間近で観察しておられた。

 

リーシャはリーシャで蛇に睨まれた蛙のように大人しくしている。

ううん、あの子は面食いだから案外ライザール様が気に入ったのかもしれないわ。

 

「お目覚めになったのねライザール様、お食事はいかが?」

 

声をかけるとライザール様がこちらを見た。

 

「ああ・・戻ったかシリーン。なんだか美味そうな匂いがするが、夜食か?」

 

普段贅を尽くした料理を食べておられるライザール様のお口にあうかはわからないけど私は用意した料理を卓上に並べた。

 

「ええ、よろしければ召し上がって。私が作ったのよ。生憎と毒見はいませんけどね」

 

パンを添えた豆のスープ、羊肉の料理、温野菜のサラダだった。

定番の家庭料理だけど喜んでくださるかしら?

 

「必要ない。ちょうど腹が減っていたところだ、ありがたくいただくとしよう」

 

王宮ではあれだけ用心されていたのに、私と一緒の時はわりとなんでも召し上がる方なのよね。

 

いい子にお留守番していたリーシャは飽きたのかまた外に出ていってしまい室内は二人だけになった。

 

並んで席につき夜食をいただいく。

 

「ほう、なかなか料理上手じゃないか。感心したぞシリーン」

 

機嫌よく召し上がっていただけたようでなによりだった。