こうして貴方を私の閨に招いて幾夜過ごしたかしら・・
これまで様々なゲームもしたわね。
トランプやタロット、バックギャモンもしたけどいつも貴方は私に花を持たせてくれた。サイコロを振って一喜一憂する私の反応見たさに貴方が手加減してくれていたこと知っていたわ。
蕩けるような熱を帯びた美声のライザール様が語り部となり、各国の風習や宝物や景色を目にした時の感動の体験談を語って聞かせてくれた。
どの話もたいそう興味深かった。そうして話を聞くうちに私は眠りについて、貴方はそんな私を朝まで見守ってくれていた。
中でも一番興味を引いたのはなぜ貴方がランプの精になったかという真相だった。
それはまだ彼がただの人だった頃・・・
遥か遠い熱砂の国シャナーサ国でのことだった。義賊をしていた彼は愛する少女の命を救うために忍び込んだ王宮の宝物庫で自らと引き換えにして少女を救い、ランプの精になってしまったそうだ。
人知を凌駕する魔神となった彼は不老不死になり全てを手に入れたけどたった一つのかけがえのない愛だけを失ってしまったの。
そんな彼を病弱だった王が発見してその「願い」に応じて偽りの王として国を治めて善政を強いたけど、彼が身を捧げてまで助けた少女の行方はわからなかったそうよ。
だけど彼の本質はあくまでも精霊(ジン)だったから誰にも心を許さない孤独な王だった。
そんな彼だったけど王としての体面を保つために結婚することになってしまった。
そして偽りの婚約者として現れたのは彼が命を賭して救った少女の面影を持つ女だった。精霊になり愛を失ったはずの彼だったけど思慕を捨てきれずに愛を追い求めてしまった。
人として過ごした期間が長すぎたのかもしれない。
それはまさに甘美で残酷な試練だったの。
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