本来なら散歩に誘って頷いていただけたのだから喜ぶべきところなのかもしれないけれど・・
これはもしかすると・・試されてる?
これまでのライザール様の態度から判断すると、恐らくだけど私を泳がせて様子を見ることにしたのではないかと感じた。
つまり彼を誘い出すための罠だと思いながら誘いに乗ったということ。
女の笑顔も誘いも信用しない男なんてやりにくいわ・・
内心ため息をつきながらも、彼の気が変わらないうちに私はライザール様の腕に手を添えると中庭へと向かった。
夜気はさすがに冷え込むけれど火照った肌には心地よかった。
虫の集く緑の匂いの溢れる中庭をそぞろ歩きながらも周囲の気配には気を配る。
気まぐれで誘い気まぐれで誘いに乗りこうなったとはいえ、不埒な者に機会を与えるわけにはいかなかった。もちろん私はボディガードではないけど、できることならライザール様には傷ついて欲しくなかったからだ。
けれど王が私のことを信用されてないのだと思えば切なさが募ってしまう。
誰よりも貴方のことを守りたいのに信じていただけないなんて・・皮肉ね。
彼が私の態度から欺瞞を感じ取ったのか、それとも過去の体験から疑念を抱くのかはわからない。
あるいはその両方なのかもしれない。