「先ほど王子達と話していたな。感心したぞ・・お前の評判は上々のようだ」

 

突然ライザール様がそう言われた。やはり王子達と語らうのをご覧になっていたようだ。けれどやはり言葉には含みがある気がしてならない。

 

「ありがとうございます。皆さま気さくな方達ばかりですね」

 

先ほど言葉を交わした個性的な王子様方を思い浮かべたらつい笑みがこぼれてしまいそうになる。

 

なぜか人形を入れた鳥かごを持っておられたり、架空の女性に思いつめていたり、ナンパな方や不遜な方などさまざまだった。

 

私の感想にライザール様も苦笑顔で頷かれる。

 

「ま、確かにな。まったく私の婚約者だと忘れてないといいのだが」

 

微妙に着眼点がずれているようだ。

 

私に無関心なくせして、他の男がちょっかいをかけるのは不快なのだろうか?

 

それはそれでどうなのだろう?と思ってしまう。

嫉妬されるのは嬉しいがこれは違う気がする。

 

「彼らはわかりませんが、少なくとも私は忘れてないですわ」

 

男の下心がわからないほど初心でもないし、彼らが王の婚約者に興味津々だというだけではないのは私にだってわかったけれど、彼らのことよりも今はライザールさまがなぜ気にされるのかということの方が気になってしまう。

 

だから誤解されないようにと言葉を添えてみたくなった。

 

もちろん偽りの婚約者だけど、この気持ちの全てが嘘なわけではなかったからつい駆け引きをしてみたくなってしまう。