「その言葉が嘘ではないといいがな」

 

 

 

気づいた時には回廊の柱に押し付けられていた。

すぐ眼前にはライザール様の顔があった。

 

「嘘・・ではありませんわ」

 

嘘だけど嘘ではない・・そんなジレンマを抱えたまま切に訴えると、ライザール様が自嘲的に口の端をゆがめたかと思うと次の瞬間・・

 

――!!

 

唇が重ねられていた。

 

それは突然のキスだった。避ける術はなく拒む理由もなかった。

冷静な態度とは裏腹にとても情熱的な口づけに身も心も翻弄されてしまう。

 

口腔内をじっくりと堪能した後、解放された。

初めてのことで動揺してしまう。

 

それでもキスが上手い方だということは身をもって実感した。

頬を上気させ胸を押さえたら早鐘を打つ鼓動が私の掌を激しく打った。

 

これが・・キス・・

 

あまりにも甘美でめくるめく想いが吹き荒れていたけれど、ライザール様の心はやはり伺いしれない。

 

それがなんだか悔しかった。