例えばライザール様と関係を持った女が現れたとして、彼が覚えていてもいなくても関りがあったなら大差ないからだ。
私はきっとその女に嫉妬するだろうし、過去であったとしても流せないかもしれない。
遊びなら快楽を共有したことを、本気なら心を与えたことを許せないだろう。
自分でもどうかしていると思う。恋人でもない男のことでここまで悩むなんて・・
だけどそれは私がライザール様に片思いしているからだ。
ライザール様に翻弄されるまでもなく、自滅してしまいそうなほどの葛藤が溢れ出そうだった。
恋は人を愚かにするというのは本当ね。
ライザール様を慕うこの心以外は全て偽りの私の想いはきっと彼には届かないだろう。
そう考えればライザール様が私を信じないのはかえってよいのかもしれないとも思える。
本当は信じて欲しいけど、私を信じなければ裏切りが発覚した後も傷つかなくてすむでしょう?
私は貴方を傷つけたくないし、傷ついて欲しくないの・・
それは彼に仕掛けた私だけが抱えねばならない苦悩だった。