※ライザール視点です
もしこの女が本当に同族の女ならば私の望みのものが手に入るからだ。
甘く香しい・・良い香りだ・・この女を私だけのものにしたい・・
思わず抑えて来た欲望が高まってしまう。
男の部屋に夜忍んできてこんなにも無防備に寝る女に手を出してはならない理由など思いつかなかった。
寝台に横たわる彼女を組み敷き良い香を発する首筋に口づけると、無性に心が騒いだ。
まるで初恋をした少年のような心地だった。
しかし次の瞬間彼女は目覚めてしまった。
「・・・・ライザール様?」
悲鳴でもあげるかと思いきやこの状況でかなり冷静な反応だった。
やはりただ者じゃないのだろう。
ますます気に入ったぞ。
「今すぐお前が欲しいと言ったらどうする?」
首筋に顔を埋めたまま言うと、くすぐったかったのか彼女は身もだえた。
随分敏感なことだ・・悪くない。
「こ、困ります・・・結婚するまでお預けだっておっしゃったのはライザール様でしょ?」
思わせぶりなくせに今更淑女ぶるのに苦笑してしまう。
「だがお前だって私が欲しいのだろう?違うか?」
だが真意を確かめるべく覗き込んだ彼女のシトリンの瞳には困惑と羞恥が滲んでいた。
「お願いです・・許してください」
それどころかこの状況に身の危険すら感じているようだった。
場慣れした女だと思っていたがこれは予想外の反応だった。
彼女が求めている女なのであればできれば関係は良好であることに越したことはない。