※ライザール視点です
「お前・・まさか男を知らないのか?」
初心なふりをしてるだけなのかと思ったが、やはりどう考えてもこれは・・
半ば確信しながら問うと、彼女は羞恥から唇を噛みしめた。
これはこれは・・・なるほど・・
正体不明の女だがどうやらこの恥じらいは本物だった。
場慣れした女ならば私を誘惑して懐柔した方が容易いだろうに・・あえて拒むメリットがない以上、彼女が生娘だと疑う余地はなかった。
「ふふっ・・・思ったより可愛げがあるじゃないか。そう怯えるな。とりあえず今夜は気分がいいから見逃してやろう」
満月の夜の散策は爽快だったし、彼女もだからこそこの場所に確かめに来たのだとしたら秘密を暴くのも無粋というものだろう。
「ライザール様・・」
まだ半信半疑の彼女の唇にキスをするとぴくりを肩を震わせたが拒まなかった。
「ほら、詰めろ・・私もさすがに疲れた」
それから並んで寝台に寝そべると彼女が胸に頬を寄せて来た。
するとまた甘い香りがしたが、理性で抑え込む。
「お休みなさい・・ライザール様」
一線を越えることに抵抗があるのは処女ゆえだろうが、基本的には私を拒んでいるわけではないのだろう。むしろ好意すら感じる。
「ああ・・お休み」
できれば彼女の名で呼びたかったが、今は真実を暴く気はおきなかったからそう返す。
得体の知れない女であっても本能がこの女を求める以上このまま休むことにした。
彼女の傍はひどく居心地がいい・・それが掛けねない私の本音だった。