でも・・やっぱり・・・
「私、昨夜あの子を中庭で見かけたんです。豹だなんて怖かったけど貴方とお揃いの首輪が見えたから・・気になってしまって」
夜部屋を抜け出して中庭に行ったことにして辻褄を合わせればいいと思ったのに、ライザール様は一拍の後言われた。
「ほう?衛兵に止められずによく部屋を抜け出せたな。」
![]()
思わずドキリとしてしまう。そうだったわ・・・確かに私の部屋からライザール様のお部屋に行くまでに何度か衛兵の許可を取ったことを思い出す。それは回廊の随所に衛兵が配置されているからだし、中庭へ至る通路ももちろんだった。
中庭に行った時はバルコニーから屋根伝いに向かったから回廊は通っていない。
「部屋から抜け出たわけではありませんわ・・そう、窓から見かけたのです」
諦めずに言い募る。
私の部屋からは中庭が一望できるから言い逃れできるだろうか。
「そうか。夜陰にまぎれた黒豹を見つけるとは夜目の利くことだ・・まあ満月だったしな」
![]()
「中庭が急に騒がしくなったものですから、なにかしら?って思ったのでしたわ」
私の登場に驚いた小動物が騒ぎ一時期騒然としたのは本当だった。
「・・ふふ、なるほど。ではそういうことにしておこう。なあ?婚約者殿」
なんだか妙にひっかかる言い方だけれどうまくごまかせたかしら?
ううん、たぶん違うわね。私の嘘に気づきながら追及を取りやめたといった方が正しいだろう。