気は進まなかったけど、ライザール様の要請に応じる形で私は狩りに参加することになった。
男性陣は皆狩りに参加するから馴染んだ愛用の武器を各々手にしていた。
ライザール様が手にしたのは鞭だった。
・・・とっても似合ってるわね。
早朝から狩りに出て昼食には仕留めた獲物が振舞われるという趣向だった。
隣国ルーガンの勇猛なヴィンス殿下をはじめ、優美な所作が似合う皇驪様もそれぞれの武器を手に見事獲物を仕留めてみせた。
私の役目は彼らを褒めたたえることだった。
それくらいならお安い御用だわ。
女性同伴の方はちらほらいたから独り身の方をターゲットに気を配らなくてはならない。
そう思っていたら歓声があがった。ちょうどライザール様が見事な鞭捌きでガゼルを仕留めたところだった。荒々しい仕草が妙に様になっていてついときめいてしまう。
だから私も婚約者として惜しみのない称賛を送る。
「すごいですわ、ライザール様」
「ああ、見ていたか。あの程度造作もないことだ。他の者らも狩りを満喫しているようでなにより」
続々と仕留められていく獲物は衛兵が段取りよく運び出していく。肉は昼食に皮や骨は加工するのだろう。まさに野趣あふれる趣向だったが、王子様方は久々の狩りに興じておられるようだった。
そもそも皆さまだって狩りはされるでしょうけど、サバンナだけに獲物の種類が豊富だったからより手ごたえがあるのだろう。
ただしこのシャナーサにおいては豹は特定保護動物となっていた。
たぶんわけありな黒豹が出没するからでしょうけど、だからこそ密猟も後を絶たずまた捕食獣が増えすぎても生態系に影響がでるから個体数は把握されレンジャーにより管理されていた。