けれど私が偽物だと看破するためだけに誘惑する必要はないはず・・
それともまさか・・やはり私が同族だから・・なの?
嬉しい反面複雑な気持ちもあった。
だってもし同族の他の女が貴方を誘惑したら・・どうなさるつもり?
相手が結婚にこだわらずに子をなすためだけの一夜の契りだけでよいと言ったら・・
「先ほども言ったが二兎追う気はない。むしろ一途なタイプだ、それとも私が信じられないか?」
だって・・もてるでしょ?
男がどれだけ誘惑に弱いか身をもって知っている私には、信じきるのは容易なことではない。
「安心するがいい。もしそなたが私を信じないからといって裏切る口実にはしない」
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自分の過ちを相手のせいにはしないというのね、そこまで言われたら信じるしかないわ。
「・・私は貴方を信じたい・・でも信じるのが怖いの」
裏切られて傷つくのはやはり怖かった。だって初めて好きになった方ですもの。
これまで散々悪気なく裏切る男達ばかり目にしたから、裏切られても結局許して元のさやに納まるなんてできそうにない私には不安は拭えない。
「なら私と同じだな。私もこれまで散々な目にあってきたが、それでもそなたのことはあえて信じたいのだ。その気持ちだけは偽らないでくれ」
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ああ、そうなのね。私より大人な分、経験も豊富なのはわかっていたけど・・
今まで独身だったことを考えればやはり結婚は彼にとっても簡単なことではないのだろう。
「では私も貴方を信じます」
誓うようにそう言うとライザール様は笑顔になった。
「そうか、ならばよい」
そう言って彼が差し伸べてきた手を私は取った。
その温もりはとても心地よかった。