翌日、ライザール様は「レイラ」様との婚約は解消されて私との結婚を皆の前で宣言された。
皆一様に微妙な顔をされていたけど、思ったよりもあっさりと受け入れて祝福をしてくださった。
なぜかしら?って不思議だったけどもともと結婚に乗り気じゃない王の心境の変化を汲み取ったみたい。
レイラ様の父君のターヒル様も娘のことがあるからかお咎めなしで安堵したでしょうね。ちゃっかり娘の代わりに王の寵愛を奪った私のことも「好きにせよ」っておっしゃっただけだった。なんだか内心ホッとしていたみたい。やっぱり親として娘のことが心配だったのかもしれないわ。
ライザール様がきちんとけじめをつけてくださった以上、私も店主様にきちんと報告しなければ・・
そう思ってライザール様にしばしの暇乞いを申し出たら、話はきちんと聞いてくださったけど心配されてしまった。
それはそうかもしれない。いくらジェミルと私がお咎めなしだからといって、店主様のした行為は明らかな婚約破談のための妨害工作だったからだ。
とはいえ私の罪を問わぬ以上、店主様の罪も問うことは難しく最後は折れてくださった。
「そなたは雇い主の店主を信頼しているのだろう?私としては疑わしく思わぬでもないが、だがいいだろう・・そなたを信頼しよう」
ライザール様!
彼の顔には懸念の色が浮かんでいたけどそれもすべて私を想って身を案じてくださるからだろう。
「大丈夫ですわ・・必ず貴方の元に戻ってきますから」
そう言って微笑むとライザール様に抱きしめられた。
「必ず戻って来い。約束だぞ、シリーン」
はい、必ず・・・約束ですわ。