「僕は商売柄顔が広いだろう?以前凄腕の縁結びのプロがいるという噂を聞いたことがあってね。それで物は試しにこちらから連絡をとってみたんだ。この衛星電話でね
」
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そういって店主様は得意げに衛星電話を取り出した。
インフラ設備の整っていない発展途上の我が国においては珍しいけど、確か遠くの方とやりとりができる機械だわ。(・・・私なんていまだに
だもの
)
なんとなく予感を感じながらお話しに耳を傾ける。へたに相槌を打つより黙って拝聴した方がより多くの情報を入手できる方だった。
「ロサンヨークに本社を構える、「キューピットコーポレーション」の若きカリスマ、トップブライダルコンサルタントのリネット嬢に相談したところ、快く引き受けてくださったというわけだ」
なんか呪文みたいだけどその名前聞き覚えあるわ!ライザール様が狩りの時に立ち話なさってた方ね。
「というわけで本日は君を訪ねてそのリネット嬢がいらしているよ」
――ええ!?そうなの?![]()
店主様の合図で舞台の袖からあの時の女性が颯爽と姿を現した。
コツコツとヒールの音を響かせてこちらへやってくる。
洗練された装いで明朗快活な雰囲気の女性だった。
「ハ~イ!はじめまして、シリーンさん。ご紹介にあずかりましたキューピットコーポレーション専属のトップブライダルアドバイザーのリネットです。先日私事ですが結婚しましてスネイル姓になりましたが仕事の時は旧姓のミラーを使ってるんですよ。貴女が「舞妖妃」なんですね、お会いできて光栄です。・・この度はライザール王と正式にご婚約されたとか、おめでとうございます」
さすが情報が早い。
本当に凄腕の方だったのね。長い肩書のお名刺をいただいたわ。なんだか人妻の余裕を感じてしまうわね。