「あら、私は相性の良い方達の縁を取り持つだけですわ。「恋の矢」で射てね。あとはお二人次第ですもの。私もたくさんの方達の仲をとりもってきましたが、自分が実際に結婚してみて夫婦は一筋縄ではいかないって痛感しました。

 

だけどこの広い世の中でやっと巡り合えた方ですから愛する夫を大切にしようって心に決めたんです。一緒にいる時間が長くなればなるほどまやかしは通用しませんもの。今は居心地の良い距離をお互いに確認しあってますよ。

 

長いこと独身だった男女が結婚したからといって即夫婦になれるわけではありません。夫もですが私だってまだまだ新妻ですもの。これから時間をかけて絆を育んでいければいいなって思ってますわ。

 

一国の王様とは比べるべくもありませんが、旦那様がトップの方だと気苦労も多いですがお互いにがんばりましょう」

          キューピットパラサイト シェルビー×リネット

 

のろける彼女の左の薬指には永遠の愛を誓ったマリッジリングが輝いていた。

 

リネットさんの旦那様はキューピットコーポレーションの創業者にして社長だということだった。上司と部下でもあるから職場恋愛というわけね。それは確かに大変そう・・・しかも恋愛初心者同士なんですって、なんか共感しちゃうわ。

 

恋愛とはまた違う夫婦のあり方を今後私はライザール様と学ばなければならないようだ。

 

「そうなんですね・・・私はライザール様が初恋なんです。だから夫婦になるって実感はなくてまだ恋人って感じでしょうか。だけど夫となる方が王だなんて思ってもみなかったから期待もありますがやっていけるか心配もあるんですよ」

 

そう言ったら彼女は「貴女ならできるから頑張って」と微笑んだ。

 

なんだか勇気を貰えた気がする。

やはり彼女は「キューピット」なのかもしれないわ。

 

人の愛の営みを温かく見守り縁を結ぶそんな貴重な存在なのかもしれない。