だけどいくら悲しくてもこの場所から私が逃れる術はない・・神子でいるかぎり。

 

今をやり過ごしても乱世の世が平和になるわけじゃない・・

 

もう嫌だ!逃げ出したい!!

 

どれだけ怨霊を浄化しようとも、飽くなき戦いに身を投じる人々がもたらす穢れが「私」をより苦しめる。

 

これから先何十年もそんな日々が続くのだと思えば心が折れそうだった。

 

私を抱きしめてくれる長政さんだってその中の一人だった・・

どれだけ想いを交わしても立場も信念も容易には変えられない・・

 

今は側にいて慰めてくれても彼もまた私が逃げることを許さないだろう・・

 

相応しくない主君なら挿げ替えるとまで言い切った長政さんに愛想をつかされるのも時間の問題なのかもしれない。

 

それは今の私にとって耐え難いものだった。

 

好きな相手だからこそ弱音を吐いて嫌われることが怖かった。

好きだからこそ弱みを晒せない・・そんなジレンマを抱え込んでしまう。

 

だけどもう限界だったのだ。

 

八葉である前に男性として恋い慕う長政さんに見捨てられることが怖かったのに・・・

 

いずれ時が喪失を癒すかもしれないけどそれはずっと先だろう

 

常に理想を追い求める彼のような強さはやっぱり私にはなかったみたいだ・・