三鶴さんは兄さんの遺言があったからか主家に対する恩義から葛藤を抱えながらも三成としてではなく八葉として私の傍にいてくれると約束してくれたけどでもそこには兄さんの姿はない。
やっと三鶴さんを取り戻せたのに今度は五月兄さんが帰らぬ人になってしまったなんて・・あんまりだった。
「内府様にもこのことはすでに報告済みだ。三成殿の出自がどうあれ上洛して弁明されるのが筋だろう。今ならばまだ話を聞いてくださるかもしれない」
いつもは私情を挟まない宗矩さんのアドバイスに三成殿が顔をあげると頷いた。
度重なる戦乱で穢された土地と犠牲がより強大な怨霊を呼び出しやすい場を作り出そうとしていた。
龍神と大地は繋がっている以上、その穢れと絶望は龍神自身を疲弊させ、
本来は加護を与えるべく人々への恩恵を施せなくなるほどだった。
今天下分け目の決戦へと繋がる戦を各地で起こせばもはや取り返しのつかない事態になるのは火を見るよりも明らかだった。
もし八葉が神子を裏切れば八葉は玉を失い、神子と八葉を欠けば龍神も力を失う。そうなってしまえばいかに怨霊を浄化しようとも焼け石に水だった。
状況が変わったことは皆ひしひしと感じていた矢先のできごとだったのである。
私の八葉はこの日の本のまさに縮図だった。
八葉間で争えばその争いはさらに大きな渦に飲み込まれてしまう。