『貴様!!・・・この外道!弟を離せ!!お前とはこれまでだ!この城から出ていけ!』
術で対抗しようとする三成殿を前にとたんに興ざめしたかのように表情を消した平島殿は冷徹な声でつげた。
『では私と袂を分かつと?本気ですか?殿・・これまでさんざん貴方には尽くしてきたのに・・やれやれとんだわがままな方だ。けれどしかたありませんね。こんな駄犬でも貴方には可愛いのでしょうから。・・・後悔しますよ』
そう言って平島殿は無情に刀を引き抜くと一振りして鞘に戻した。
だけどその行為がより一層兄さんの命を絶望的なものにしてしまった。
鮮血に染まった地面に兄さんの命が流れ出すのを止める術はない。
カッとなった三鶴さんが小太刀を投げた瞬間、平島殿の姿は掻き消え後には断ち切られた式が残された。
術者が消え結界から解放されてよろよろと前に進み出た瞬間呆然と頽れた私と三鶴さんの視線が絡む。
「神子・・君はそこで見ていたのだな・・なんてことだっ・・こんなことになって・・すまない」
白龍の周りに張られた結界は三鶴さんが張ったのだろう。だからこそ彼にはきっと私の姿が視えていた。
私が白龍に会いに結界内に立ち入った後、その周囲を別の結界で覆い閉じ込めたのは平島殿だった。