もし三鶴さんが張ったものであるなら彼の身になにかあればこの結界が消失してしまい白龍の身に危険がさらされてしまうかもしれない。

 

そんなことを考えていたらかぼそく通った小さな声で呼ぶ声がした。

 

――あねさま・・・来てくださったのですね・・

 

声のした方を見れば小さな白龍が水面から顔を出しすいすいと魚のように泳いで近づいて来たところだった。

 

――白龍やっと会えたね・・私の可愛い弟・・

 

この子は男の子のようだった。やっと会えたことが嬉しかった。

 

だけどまだ私は神子を降りることはできないし、龍脈も正せていない

 

だからしばらくはこの場所にいてもらわなければならない・・

 

――私は大丈夫です・・だからあねさま・・どうかお元気で・・

 

小さな白龍はすぐに私の気持ちを汲んでくれた。

 

とはいえやはりこのままこの子を置いたままなのはひどく心配だった。

 

だから私は結界の中にさらなる結界をはりめぐらす。

 

この結界を解けるのは龍だけだった。いつの間にかこんなことができるようになってしまったことに驚きながら私は白龍に別れを告げると結界の外に出た。

 

すると途端に秋の肌寒い空気を感じた。