「もし三成殿が俺の兄の三鶴ならば星の一族の血を受け継いでいることになるし俺たちの世界で起きた史実を知っているということだ。これから先の戦で功績を上げる可能性が高い長政殿を排除しようと目論んでもおかしくはない。

 

それに三鶴にとっても七緒は妹だろう?家族への情があるのだとしたら・・・いや、それとも星の一族としてのけじめなのかもしれないけど。一度は七緒を狙ったカピタンがあっさりと矛先を長政殿に変えたのも三成殿を敵にまわさずに淀殿近づくためになんらかの忖度をしたのだと考えれば不思議はない」

 

兄さんのいうことはもっともだったけど、それでも問題は残ってしまう・・

 

後ろめたさもあって言い出せずにいたら長政さんがずばりと言った。

 

「だがたとえお前の身内であったとしても家康殿に楯突くならばいずれ粛清せねばならん相手だ。親兄弟であっても争うのが世の常。はたしてお前にその覚悟があるのか?」

 

私が同行したあの夜、長政さんを含めた武断派の七将は三成さん襲撃事件を起こしていた。八葉はそれぞれの信じる方へと別れて行動したことは暗黙の了解だったけど、もし来年の9月に起きるという関ヶ原の戦いが起きてしまえばもう決して後戻りはできないだろう。

 

「そうですね。長政殿の言う通り俺も何度も兄は戻らないだろうと思いましたよ。それでも諦めきれなくてここに来たらきっと手がかりが得られるんじゃないかと思ってました。

 

兄さんがいつから三成殿と呼ばれるようになったのかはわからない。歴史を知りながらそんな重い役割を担うなんて・・ヒーローにでもなるつもりかよ兄さん!

 

故郷を失った兄さんがこの場所で生きると決めたなら俺には何も言えませんよ。だけど・・両親の気持ちを考えると・・俺だけじゃなく兄さんまで失うなんてなんて親不孝なんだっ・・・・俺達兄弟は!」

 

長年探していたお兄さんの三鶴さんを発見したのも束の間、来年起きる関ヶ原で敗戦の将として処刑される運命だなんて・・・