そして二日後、ライザール様と私の結婚式は粛々と執り行われた。
参列者の中には顔なじみの方々もいたけれど、今私の心を占めているのはただ一人の方だけだった。
以前いただいた婚約指輪は今は右手の薬指にはまっている。
てっきりレイラ様のために用意したのだと思っていたけれど、あの指輪は私のためにライザール様がご用意されたものだった。(サイズは店主様から仕入れたのですって)
あの指輪にはテロメアーナの採掘場へと繋がる洞窟で子供の頃に一緒に暮らした一夏の思い出が込められていた。ロマンティックな方だわ。
そして今新たに金でできた結婚指輪を交わして互いの薬指に嵌めて微笑みを交わしたら今更ながら幸せが胸にこみ上げてきた。
これから始まる日々への期待もあって感極まってしまう。
やっと、やっと貴方の妻になれるのね・・・そう思えば感無量だわ
様々な葛藤を秘めて待ちわびた今日という吉日を迎えたけれど、これはゴールなどではなく私達の新たな門出だった。
まさに大きな人生という名の川を二人で小舟で漕ぎ出すようなものに等しい。
だけど空を見上げれば指針になる輝く星が広がっているし希望もあるわ
だから荒波や霧で惑うことがあっても二人で協力して乗り越えましょう?
そして辿り着いた岸で地に足をつけて精いっぱい生きましょう。
そこで種を蒔き命の芽吹く季節を迎えるの。
だって私達は家族になるのですもの
子供ができればもっと楽しくなるわ。私は母親にそして貴方は父親になるの。
ね、素敵でしょう?
光に満ちた青葉の季節も、充実した熱砂の季節も、そして年輪を重ねた晩夏も私は貴方と共に迎えたい
・・死が二人を分かつまで共に歩みましょう
末永く共に幸せになりましょうね、ライザール様
今、貴方の顔にも曇りのない爽やかな青空のような笑顔が浮かんでいるわ。
その屈託のない笑顔を見ていたらとても満たされた幸せな心地になるの。
今この瞬間感じた感動を私はけっして忘れないわ。
――ライザール様、私は貴方を心から愛しています・・![]()
微笑みあい誓いのキスを交わした瞬間、会場からは私達を祝福する歓声があがった。
こうして私はシャナーサ王妃になった。まだ新米の王妃だけど私を選んでくださったライザール様の信頼に応えていつか名実ともに相応しい存在になれるように頑張るから見ていてくださいね。
けっして後悔はさせないわ。
ドレスの隠しポケットに忍ばせた砂時計が時を刻む・・流砂のごとくサラサラと
ポケットにそっと手を入れその大切な想いでの詰まった砂時計を握り締める。
そして砂漠で出会い運命に導かれるまま恋に落ちた私とライザール様の真の旅路はここから始まるのだ。
終![]()
