私の告白を聞いたライザール様の顔に満面の笑みが浮かぶ。
「その言葉を随分長いこと欲していた。私もお前を心から愛している、シリーン。どうか私の妻になって欲しい。お前は私にとってかけがえのない女だ」
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やっと・・やっと互いの気持ちを伝えあうことができたわ。
私は彼の全てを知っているわけではないし、彼も私の全てを知るわけじゃない。
それでも私が心から欲するのは貴方だけよ。愛しているわ
「嬉しい・・嬉しいです、ライザール様。この出会いに感謝を捧げます」
店主様やターヒル様・・さまざまな者達の思惑が交錯しながら仕組まれた再会だったけれど、後悔はなかった。清濁併せ飲まれたライザール様も承諾済みであるのならもう何も言わないわ。
確かに過ぎ去った年月は思い出を美化してしまったけれど、あらためて一緒に過ごしてみて、王となったライザール様に尊敬と愛を感じた。一人の男性としてもとても魅力的な方だわ。
「私は王だがシリーン、お前の前ではただの男になってしまうようだ。だからお前も私と共にいる時だけは王妃ではなくただの女でいるがいい。そして存分に私を愛してくれ‥お前と共に幸せになりたい。それが私の心からの願いだ」
ああ、なんてことなのかしら・・・
これが私の最後の仕事だったのに。
期限までまだ二日もあるのに・・クライアントにほだされて完敗よ。
ここらが潮時ね、潔く密偵は引退するしかないようだわ。
私がシリーンとご存じだったライザール様と店主様がグルになっていたなら最初から私に勝ち目なんかなかったんだわ・・
すべてこの方達の掌の上だった。