本当にどんな関係なの?あらかじめ連絡を寄越したからにはこの人物と私を引き合わせるつもりだった?

 

「あの・・店主様、こちらの方はいったい?」

 

尋ねた私に向き直った身なりの良い男性は自己紹介した。

 

「私はターヒル・アリ、そういえばわかるであろう?」

 

!?

 

「ではレイラ様の父君でいらっしゃるのですか?」

 

王の婚約者でありながら駆け落ちしてしまったレイラ様のお父様だなんて気まずくて仕方なかった。

 

なぜよりにもよって店主様はこの方をこの場に同伴されたのだろう?

 

「ああ、そうだよシリーン。ターヒル様とは見知った中でね、だからレイラ様のことでは相談を受けたりしたんだ。けれど婚約破棄は免れられない状況になってしまっただろう?

 

肝心の娘が不在じゃしかたない。ところが王はこれ幸いとばかりにお前を替え玉にするように私に依頼をしてしまった。

 

ターヒル様は王の意向を汲まれて素知らぬふりを通すことにされたんだ。お前と遭遇しないように仮病まで使われてね。

 

厳密にはまだレイラ様が婚約者ではあるが、もちろん王にそのつもりははなからない。王が欲しいのは最初からお前だけだよ、シリーン」

 

――ええ!?

 

レイラ様の不在を承知で体面を保つために私に依頼をされたのではなかったの?

 

むしろレイラ様を隠れ蓑に私を宮廷に招く口実だったなんて・・