「そうか、ならばこれ以上は言うまい」

 

納得されたのか、話を切り上げたライザール様と共に昼食をとる為に広間へと向かう。

 

本日のメニューはキョフテね美味しそう。

昼食をいただきながら、先ほどのルーガンの大使様の来訪について考える。

 

「ねえ、ライザール様。咄嗟のことで大使様の前でレイラ様の名を出してしまいましたが大丈夫なのでしょうか?」

 

私がここに滞在できるのは残り二日だけだった。

レイラ様が戻らないのならば名乗ってしまったのは軽率だったかもしれない。

 

けれどライザール様は気にした風でもなく肩をすくめられると続けた。

 

「別に構わない。そもそも私の婚約者候補は一人ではないからな。もちろんレイラとは破談だし他の候補者とは今後も会うつもりはない。だが大使には気を持たせておけばいい」

 

――まあ!

 

やはり他の候補者がいたことは気がかりではあったが、ライザール様に会う意思がない以上蒸し返さない方がいいだろう。

 

娶るのは一人だと断言されたライザール様を信じましょう。

 

それが私であればいいのに・・

 

そう願ってしまうことが増えた気がする・・