返事を持たせた鳥を解き放った直後侍女達の呼ぶ声がした。
間一髪だったみたい。
それから支度をしてライザール様と朝食をご一緒するために広間へと向かった。
「おはよう、シリーン。待っていたぞ」
笑顔で出迎えてくださるライザール様の姿に胸が一杯になってしまう。
二日後には私はこの場所を去らなくてはならない。
こんな朝がずっと続けばいいのに・・そう願わずにはいられない。
「おはようございます、ライザール様。お待ちになったのね、ごめんなさい」
挨拶を交わし隣に腰を下ろした私の手にキスをくれる彼の姿に愛しさが募る。
もっと深く触れ合いたいとさえ思ってしまう。
ルトと暮らした頃はこんなこと考えもしなかった。身も心も子供だったのだと改めて実感してしまう。
私と再会するまでの間、彼が共に過ごした女性達に嫉妬だって感じていた。
彼のように魅力的で精力的な男性がたった一人の女性への愛だけで満足できるかどうか不安だってあるわ。
彼が大切なルトだと思えばこそいっそう耐え難い気持ちになってしまう。
愛した方が浮ついたり裏切ったりしたら傷つくのは男であれ女であれ変わらないでしょう?
私の中に芽生えた嫉妬と独占欲は日増しに強くなっていく。
愛する人をただひたすら信じぬくことがこれほど難しいことだなんて思ってもみなかった。
ルトとの間には確かに絆があったけど彼が命の恩人だったというのも大きかった。
その気持ちは今も変わらない。