「お父さん、お母さん、今まで本当にありがとう、またここの家の娘としてよろしくね」
これまで娘同然に愛情を注いで育ててくれた二人には感謝しかない。
私、お父さんとお母さんの娘で本当によかった・・
けじめをつけたかったからそう言ったら二人とも泣きながら抱きしめてくれた。
長政さんとの別れを後悔してないって言ったら嘘になるけど、二人にまた会えたらホッとしちゃった。
あの人はたぶんそんな私の気持ちに気づいていた。
さんざん七つの童女扱いされたもんね。
本当は選んでくれなかったって怒るよりむしろ私の気持ちまで慮ってくれた長政さんには感謝しないといけないのかもしれない。
だけど寂しいよ‥長政さん。
そんな私の葛藤が伝わったのだろうか?お父さんが私を見つめたまま言った。
「どの世界だろうとお前が元気でいてくれたならそれだけでいい。それに娘はいずれ嫁に出すものだからな。七緒、お前の人生だから後悔のないように生きなさい。」
――お父さん!
その言葉がなんだかやけに胸に沁みたのは私が長政さんとの
人生を諦めちゃったからかもしれない。