「動揺しているようだな、無理もない。ただの戯言と聞き流せばいい・・だが私だって初めから王として相応しい実力があったわけではないぞ?だが王になった以上逃げることは許されなかったし、見合うだけの実力をつけることでしか周囲を従えることはできなかった。王妃も同じことだ。相応の覚悟がいるものだと私は思う」
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やはり私に覚悟を問うておられるのですか?
今すぐに答えはでなかったけれどライザール様のお覚悟もお考えもわかったことは良かったと思う。
やがて嘆息されたライザール様は私の手を握り締めたまま続けられた。
「実のところあの場所は私の父の代から使われていない忘れ去られた場所だった。だがおかげで私は生き残ることができたのだからな・・父には感謝している」
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閉鎖されたのはライザール様だったが、父王の代から使われていなかったなんて・・
「父王が在位していた間あの場所にまだ女人は残っていたがそれらは祖父の代に寵愛を得た女達だった。ほとんどの女達は解放されたが、外の世界を知らずとどまった者達もいた。彼女達も今はすでにいない。
父は結局自分のハレムを持たず、私の母だけを寵愛していたが母は早くに亡くなってしまった。だが父は寡夫を貫いた。もし父が愛欲にかられてハレムを存続させていたなら私は妃同士のし烈な権力闘争に巻き込まれて命を落としていたかもしれない。
強欲な者達が集う宮廷にある以上、王子とて生存競争は必至だ。昔はそうしてより強い種を残そうとする風潮もあった。
だが大臣同士の均衡を保つためにこぞって王に娘を嫁がせても、王子が誕生した途端権力欲にかられた者たちによる暗殺が横行して結果的に世継ぎを失うなど皮肉としかいいようがないからな」
まさに籠の鳥状態のハレムの実情を聞けばやはり閉鎖されたことは英断だったと思わざるをえないものだった。