「黙れ!!控えろ仙千代・・だがそれだけではあるまい!!隠し立て無用!すべて申せ神子」

 

ようやく聞く体制になった父上に私は心を込めて語りかける。

 

言葉には言霊が宿るという・・神子の私の言葉なら頑なな父上の心にも響くはず・・

 

「わかりました全て正直に申し上げます。私があの方を慕うのは私と絆があるから、あの方は未来の世界で私の八葉となる方だからです。かつて父上は神子に選ばれた私に言葉をかけてくださいました。「なお姫、乱世を収めるのはそなたの役目だと」そして私は時を超えた異世界で神子として目覚めてこちらの世界へと戻ってきたのです。まだ乱世は続いておりますが、けれど身命を賭して私は私にできるやり方で乱世を収めようと心に決めたのです。それには、私の野望には黒田長政殿が必要です!!」

 

かつて父上は龍神様に戦勝祈願をしたという、その証として私は神気をまとい生まれた。それだけ龍神様に詳しい父上ならば八葉の重要性だってわかるはず。

 

怒りにかられたとしても矛先を収めることができる人だと信じたい。

 

「私は父上を立派な方だと信じます!だから父上もどうか黒田親子の忠義を信じてください!露ほども疑ってはなりません!彼らはこれからの織田に必要な者達です!」

 

黒田官兵衛が優秀だからこそ、もし寝返られたら脅威になるし許しがたいというのはわかる。けれど疑心暗鬼に陥り見当はずれの刃を振り下ろすならば・・

 

私は無言で膳から守り刀を手に取ると鞘から引き抜いた刃を父上へと向けた。