次に目を覚ますと傍にはあやめちゃんが控えていた。

 

――長政さんは?

 

彼の姿はなくて残念に感じながらあやめちゃんに礼を言う。

 

「ついててくれたんだね、あやめちゃん、ありがとう」

 

身を起こしたらまだ少しふらつくけどさっきより気分はぐっと良くなっていた。

 

見ると家から持ってきた水筒が枕元に置いてあった。

 

「もうお加減はよろしいですか?神子様。水筒には清水を汲んでございますので召し上がってくださいね」

 

あやめちゃんにすすめられるまま水筒を手に取りありがたく水を飲む。

 

冷たくて美味しい・・

 

落ち着いてみたら急に長政さんのことが気になってしまう。

 

「ね、長政さんはどうしてるかな?」

 

何気なさを装えたかはわからないけどあやめちゃんは心得ているとばかりに応えてくれた。

 

「長政様なら先ほどまで神子様のお傍に控えていてくださったのですけど、今は幸村さまに会いにいかれたようですわ」

 

 

もしかしてさっきのこと・・だよね

 

私も知りたいんだけど・・どうしよう?

やっぱり気になるから長政さんに聞いてみようかな。

 

「後でいいから長政さんにお話ししたいって伝えてくれるかな?」

 

あやめちゃんに頼むと彼女は快く引き受けてくれた。