「あの、何から何までありがとうございました、長政さん・・私だけじゃあの怨霊に太刀打ちできませんでした。長政さんがいてくれてよかった」
恐縮する私に長政さんは満更でもない様子で上機嫌に応じる。
「なにこれも神子殿の八葉として当然のことだ。お前もよく頑張ったな。まさかこの場所であのような強敵の怨霊に遭遇するとは思わなかったが・・作為を感じるな」
――え?
でも改めて考えてみれば長政さんの言う通りだった。
ここ真田の庄は結界が各所に張られているから怨霊は侵入できないはず。
――幸村さんに聞いてみた方がいいかも
「・・・・・あ、気が抜けたらなんだか・・・」
「おい、神子殿!」
怨霊との戦闘で熱さも忘れて浸かりすぎたせいか湯あたりしてしまったらしい。
気づけば意識がふわっと遠のいてしまった。
気絶した七緒を抱き留めた長政は素早く服を羽織ると濡れて重くなった陣羽織ごと七緒を横抱きにすると露天風呂を後にした。
「星の一族の姫はいるか!神子を頼む・・湯あたりしたらしい」
長政があらわな姿の神子を抱き上げている状況に、騒ぎを聞きつけて急ぎ来たあやめが絶句する。