「長政殿もなかなか思い切ったことを。策士だけあるねえ・・」

 

 

どういう意味だろう?

 

「いやこっちの話さ。それで?神子の本命はどちらなんだい?」

 

え!?

 

なしくずしで長政さんとはキスしてしまったけど、好きだと言われたわけじゃなかった。

 

ただ挑発するように「この程度のキスで動揺してたら俺はその気にできない」って言われただけ。彼に子供扱いされるたびに悔しさが募ってしまう。

 

いつか私のこと認めてもらうんだから。

 

「カピタンさんのことは長政さんの言ったとおりだったと思います。私の周りにはいなかったタイプだし神子の役割と関係なくいられた相手だったから・・」

 

「神子・・お前が望んだわけじゃないけど、神子の役割は重荷かい?」

 

気遣ってくれる阿国さんの優しがが嬉しかったけど、咄嗟に首をふってしまう。

 

「ううん。確かに神子に選ばれたのは私の意志じゃないけど、選ばれてしまった以上自分の運命から逃げないって決めたんです。父上との約束ですから」

 

織田信長の娘として恥ずかしくないように生きたいと思う。その気持ちに迷いはなかった。

 

父上の名を出した時一瞬だけ阿国さんの顔が陰ったように見えたけど気のせいかな?

 

「そっか、あんたは偉いね。神子としては立派だよ。でもまだ16歳の嫁入りの前の娘だろう?そういや神子の世界では恋愛は自由だっていうけど、誰か良い人はいたのかい?・・たとえば大和とか」

 

ええ!?

 

「違います!大和とは幼馴染ってだけですってば!」

 

慌てて否定したら阿国さんも納得してくれたみたい。