また長政さんに「神子の自覚が足りない」って怒られちゃう。
そんな風に自己嫌悪に浸っていたら、見ていたのか今度は阿国さんが声をかけてきた。
「神子、ケンカでもしたのかい?」
私の雰囲気から悟ったのか阿国さんの顔も心配そうな面持ちだった。
長政さんとのことは私自身どうしていいかわからなかったし、もちろんキスなんて初めてだったから相談相手が欲しかった。
星の一族のあやめちゃんはまだ幼いし、つばきさんにも言いずらい。
そうだ!阿国さんなら聞き上手だしいいアドバイスをくれるかも・・
「あの阿国さん!今、いいですか?」
「なにか話があるんだね?いいよ、私の部屋においで」
突然の申し出だったけど阿国さんは快く部屋に招き入れてくれた。
阿国さんなら美人だし恋の経験とかも豊富そうだった。
それから私はカピタンさんのことと長政さんとのことを阿国さんに打ち明けたのだった。
阿国さんに問われるままあらいざらいしゃべってしまい気持ちは軽くなったけど、知られてしまった気まずさだってあった。
私は神子なんだし異性との恋愛なんてたしなめられてしまうかもしれない。そう思ったから星の一族の二人には言えなかったんだけどね。