「ははは、なるほど。これは一本取られたようだ。」

 

今度こそ王は破顔される。・・その屈託のない笑顔はまるで・・・

 

まるでルトそのものだった。

 

ああ、やはり貴方は・・・・

 

――ルト!!

 

けれど今はあえて追及はやめておくわね。

ルトに似ているから貴方に興味を持ったけれど、今貴方に惹かれているのはルトかもしれないからじゃない・・

 

貴方の優しさや国を想い真剣に憂える姿を見て力になりたいと心から想えたからよ

 

それから王に誘われ、昼食後に中庭を散策した。

 

外国からわざわざ取り寄せた珍しい植物が生い茂る庭園は、このシャナーサにおいてはまさに楽園のようだった。

 

専属の庭師により手入れされておりいつ訪れても心和ませてくれる憩いの場所となっていた。

 

 

いつも通り私の手を引きながらライザール様はゆったりと歩かれる・・・

 

しばらくの後、ドラセナの前で足を止めた。

 

ずっと以前からそうしていたみたいにごく自然に寄り添う私達を見かけた大臣達がこちらを窺いながら何事か耳打ちしあっていた。

 

声は聞こえないけれど、読唇術で言葉を読み取ってみましょう。

 

『あんな若い娘を嫁にしようとは・・王も隅に置けませんな』

 

『いやいや女は若いに限りますよ。ああ・・・羨ましい』

 

『なににせよ仲睦まじくて結構じゃないですか。王には身を固めてもらわないといけません。この際相手は誰でもいいじゃありませんか』

 

『あの娘、本当にアリ家の娘かわかりませんよ。あの腰つき、あの豊満な胸男なら誰でも欲しくなるというもの。肝心のアリ殿はここ数日暇を貰ってますから確かめようがありません』

 

『まさに。だが何よりもあの娘が来てから王の態度が丸くなったと評判です。王に睨まれたら生きた心地がしませんからな。これまで幾多の姫に見向きもされなかったから女に興味ないのかとも思いましたがこれで一安心でございますよ』