「たとえ故郷と遠く離れていようともこの空だけは繋がっているのですから」

 

同じ時空にあるカピタンさんの故郷はそうかもしれない、でも私がいた元の世界は遥か時空の彼方だった。

 

龍脈が傷ついてしまいできた龍穴を通れば元の世界には戻れるけれど、町へと通じる唯一のトンネルは怨霊のせいで通行止めとなっていた。

 

私が戻れるのは天野家と神社の周囲だけ。両親は外出中だから巻き込まれなくてよかったし、五月兄さんと大和は縁あって八葉に選定されてしまったから、申し訳ない気持ちもあって早く何とかしなきゃって焦燥感があったけど故郷を遠く離れた寂しさとか喪失感は消せそうになかった。

 

そう思えばつい感傷的な気分になってしまう。

ポルトガルから極東まで船でやってきたカピタンさんならこんな気持ちわかってくれるかな。

 

「おや?どうされましたか~?」

 

私の様子に気づいたのか話をやめたカピタンがこちらを覗き込んできた。

 

「あ、ごめんなさい。ちょっとうらやましくなってしまって・・・」

 

望郷の念は同じであっても、そう簡単に戻れる場所にない者同士通じ合えるものがあったのかもしれない。

 

気づいたら心の奥底にしまっていた気持ちを吐露していた。