一方その頃カピタンはというと

 

「まだ気にしてるの?あんな小娘どこがいいんだか。はっ・・あんたももの好きね」

 

キスの余韻に浸ることもなく呆れたように鼻で笑う共犯者のターラのプライドの高そうな顔に笑みを返した私は先ほど会った神子の様子に想いを馳せた。

 

傷ついた顔をしていましたね。あんな顔をさせるつもりはなかったのですが・・

 

私にとってはたかがキスでしかありませんが、奥ゆかしいこの国の人間にはいささか刺激が強すぎたようです。

 

あれは挨拶のようなものでしたが、もし神子の薔薇の蕾のよう唇を奪えば彼女はどんな顔をするんでしょうか、とても興味深いものです。

 

けれど今はきっと私に腹を立てていることでしょう。無理もありません。

 

私としたことが調略を見られるとはね失態でした。神子の尾行を知りながら素知らぬふりで私を誘惑したターラもターラですが、彼女の思惑を知りながらあえて誘惑にのった私も私です。

 

ターラとは利害が一致したから都合がよかったというのもありますが、彼女の生い立ちには汲むべきものがあったからでもありました。

 

私達はきっと理解しあえる、そんな風に思えたのはけれど幻想にすぎませんでした。

 

似たもの同士の彼女に惹かれないのは同族嫌悪でしょうか。

憎しみに囚われた彼女の心を救うことは私にはできそうにない。

お手上げです。