思考と実行では大きな隔たりがあるけれど・・・王がお知りになりたいのは私の正直な気持ちなのだから・・いえ、これは貴方を試すことになる応えかもしれないわ。

 

「もし、心から愛する方と巡り合えたら・・その時は欲しいと思うかもしれませんわ」

 

言ってて恥ずかしくなってしまうが、それが掛け値なしの私の本音だった。

 

それは貴方のことよ‥ライザール様

 

女としてのときめきを教えて下さったのは貴方ですもの・・

 

「運命の出会いを望むか・・・だが悪くない答えだ」

 

王は満足げに微笑まれるとまた水煙草をふかした。

 

では貴方は・・・?

貴方は子を持つことをどう思われているの?

 

王である以上世継ぎの誕生は責務でしょうけど・・・

良い機会だから思い切って尋ねてみようかしら?

 

そうね、聞いてみましょう。

 

「ライザール様は?お子が欲しいの?」

 

私みたいな未婚の若い娘が聞くのは勇気のいる質問だったけれど、言葉にしないとわからないこともあるし・・・ぜひ知りたかった。

 

すると王はまた一服水煙草を吹かされた後お答えになった。

 

「王であるならば当然だな。・・だがそうだな、お前の聞きたいのはそんなことではないだろう?だから私も真剣に応えるが・・。愛した女の子なら私も欲しいと思う。愛する女と結ばれ血を分けた我が子をこの腕に抱くことが長年の渇望だ」

 

 

それは貴方が探し求める女性のことですか?

ああ、それが私だったなら・・・

 

でも今は嫉妬心を募らせる時ではないわ。せっかく王が御心を打ち明けてくださったのだから、目も耳も塞いではダメ。