切ない気分のまま一夜明け、三日目を迎えた。

 

朝食の席でライザール様のお顔を見たらやはり心がざわめいてしまう。

 

「シリーン、今日は時間が取れそうだから朝から出かけないか?」

 

今日は外出されるのね。いったいどこに?

 

「まあ外出といっても町までだ。王の務めとしてバザールを視察しているのだがよかったら共にどうだ?」

 

そんな噂はついぞ聞いたことがなかった。

 

「それは公務ですか?それとも・・」

 

半ば確信を持ちながら尋ねると、王は楽しそうに言われた。

 

「ああ、無論お忍びでだ。王の視察となれば構えてしまうだろう?私はありのままの状態を見たいからな。どうだ行くか?」

 

それは願ってもない誘いだった。まだ3日目だというのに町が恋しくなっていたから。

 

もちろん王宮マップでまだ空白の個所はあるけど、密偵としての興味より女としての好奇心を優先したっていいでしょう?

 

「ええ、行きます」

 

だから即答する。でもそれがよかったみたいなのはライザール様のお顔を見れば一目瞭然だった。

 

「良い返事だ。では共に行こう」

 

やがて朝食を終えた私達は待ち合わせの場所を決めて解散した。