晩餐の席でライザール様の傍に侍る間もそんなことをつらつらと考えていた。

 

「なんだ・・少食だな。もう食べないのか?」

 

気づいたらライザール様がこちらを窺っていた。

 

「あ、ええ・・ちょっと上せてしまったみたい」

 

まさか貴方に恋煩い中だなんて恥ずかしくて言えるはずないじゃない!

 

ライザール様の視線を感じたらまた微熱が上がってしまいそうだった。

 

色気より食い気だったはずの私が胸が一杯で何も食べられないなんて・・重症だわ

 

「暑気あたりかもしれないな。ならこれなら食べれるだろう?」

 

そう言ってライザール様が目の前に差し出したのはシャーベットの盛られた器だった。

 

ドキドキ

 

勧められるまま一さじ食べると爽やかなレモンの味がした。

 

甘酸っぱい気分にぴったりね照れ

 

ぱくぱくとシャーベットを食べながら微笑み返すとライザール様が嘆息された。

 

ん?もしかして照れてらっしゃるの?・・まさかね

 

「そういうところは変わらないな・・」

 

――え?

 

聞き逃してしまったけど、気になるわね。

 

けれど詮索したい気分じゃなかったし、今の心地よい雰囲気のままでいたかったから追及は避けた。

 

長い間ずっと心の片隅からルトが消えたことはなかったけれど、

初めて心惹かれた貴方のことを想わずにいられそうにないわ。

 

合鍵は信頼の証、私はそれをこれからも疑わないし貴方の秘密も暴かないわ。

 

だからどうか貴方の傍にいさせて欲しい。